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元IT&T会長 ハロルド・S・ジェニーンに学ぶ 成功する人のお金の使い方、活かし方
ハロルド・S・ジェニーン
元IT&T会長
1910~1997
ビジネスの世界はすべて二種類のコインで支払われる。 すなわち、現金と経験だ。 まず経験をとること。現金は後でついてくる。
ハロルド・S・ジェニーンは、イギリスのハンプシャー州出身。
両親とともにアメリカへ移住したジェニーンはニューヨーク大学を卒業後、ニューヨーク証券取引所のボーイとなる。
その後、新聞社、会計事務所などの職を転々とした後、軍需製品メーカーで電子レンジを開発したことでも有名なレイセオン社に入社。
1956年からは最高経営責任者を勤めた。
1959年、ジェニーンはITT(国際電信電話会社)の最高経営責任者に就任。
1961年当時、ITTの売り上げは7億6000万ドルに過ぎなかったが、彼は保険会社、ホテル、不動産など、全く違う分野の企業を次々に買収し、それまでどこのアメリカ企業も達成したことのなかった14年半連続増益を記録。
そして、1970年にはなんと170億ドルの売り上げを誇るコングロマリットにITTを育て上げたのである。
ちなみに、この過程で買収した企業は、エイビス・レンタカー、シェラトンホテル、ハートフォード生命などの一流企業を含む350社で、その国籍は80ヵ国にも及んだ。
ジェニーンの名は、日本ではあまり知られていないが、アメリカでは伝説の経営者として有名で、ユニクロの柳井正も「経営の師」と仰いでいる。
ジェニーンの真骨頂は、ニューヨーク大学で経済を学んだにもかかわらず、ニューヨーク証券取引所のボーイとなったところにある。
「門前の小僧習わぬ経を読む」ということわざどおり、証券取引所の現場で得たものは少ないないはずだ。
そして、その経験がレイセオン社で芽吹き、ITTで大輪の花を咲かせたのである。
昔、日本には「徒弟制度」があった。
もらえる給料はわずかながら、技術や商売のノウハウをみっちり教えてもらえるという制度である。
いまの時代にはそぐわない制度かもしれないが、貴重な経験を積むためには、似たことにトライしてみる価値があるのではないか。
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